議会報告

平成22年第1回定例会 個人質問

議長(山下薫)

田辺昭人議員。〔田辺昭人議員登壇、拍手〕

田辺昭人

田辺昭人です。最後の質問となりました。よろしくお願いいたします。
 私は、平成22年度予算案及び市長施政方針について、吉田市長に質問させていただきます。
 市長は示されたマニフェストの中で、早めに取り組む課題の一つとして、地域経済の活性化を掲げられています。また、施政方針の中では急務の課題と表現され、目指すべき横須賀の姿を実現するために全力で取り組むとの、さらに強い姿勢を示されました。
 一昨年の世界金融危機は、日本経済に大きな打撃を与え、その影響はいまだに暗い影を落としています。市長が述べられているように、多くの人が将来に不安を覚え、その結果消費の停滞、雇用の低迷、賃金の減少という、まさに負の連鎖といった状況に陥っております。その傾向はあまねく、日本経済全体の現状であります。
 その中で、横須賀に元気がない原因としては、これまで横須賀を支えてきた基幹産業の低迷と撤退、その影響による地元の商工業の疲弊が挙げられています。戦後、これまでの海軍のまちから平和産業港湾都市への転換が図られ、自動車、造船など輸送機器、電機関係等、いわゆるものづくり、製造業がこのまちを支えてきました。
 しかし、近年の産業構造の変化やグローバル化の進展により、大きな転機を迎えることとなりました。直近の市内事業者数はここ10年の間に437社から311社へ28%減、そして従業員数は2万3,199人から1万4,626人、37%減へと激減しております。こうした状況のもと、雇用が厳しくなったのは当然の結果と言えると思います。さらには、ここ数年の経済の悪化に伴い、より厳しい現状となっています。
 しかしながら、地域経済の活性化を進めるには、雇用の確保が重要であります。雇用のないところに消費はありません。まずは雇用、そして循環する経済をと市長は言われていますが、企業誘致、それに伴う施策の充実など、積極的な取り組みと内外に向けた情報の発信と受信がなければ、現実感のない、まさに絵にかいたもちになってしまうと私は考えます。
 そこで、1問目として、地域経済の活性化について、市長にお伺いいたします。
 市長はマニフェストの中で示され、2年後をめどに仮称地域経済活性化基本条例なるものを制定するとされています。しかし、今まさに疲弊した地元経済に対する道しるべを、市長として早急にお示しになるべきと考えますが、その構想とは、中身とはどのようなものなのでしょうか。改めてその時期とともに具体的にお示しください。
 次に、市内中小製造業者に対する支援制度についてお尋ねいたします。
 我が国では全企業の99%以上を中小企業が占め、全従業者の70%以上が中小企業に従事するなど、中小企業は日本経済を支える大きな存在であります。本市においても大規模工場は事業所数にして全体のわずか3%にすぎません。しかしながら中小企業は、資本市場からの資金調達が困難であるなど、一般的に大企業と比較して資金調達の手段が限られています。
 本市ではこのような中小企業の成長、発展のため、横須賀市中小企業制度融資を初めとする施策が講じられております。ものづくり技術開発促進事業補助金や、ものづくり設備活性化事業補助金などのほか、製造業等支援対策として、設備投資特別減税制度が新たに創設されました。この制度は、景気後退による設備投資意欲の低下を防ぎ、将来の成長力を維持していくため、新たに設備投資を行う製造業者に対して、固定資産税を大幅に減額するという画期的な制度だと思います。
 製造業は横須賀市の主要産業であり、今後もその位置づけを維持し続けなければならない。そのためにも質的な拡充を促進し、活力と創造性に満ちた新しい姿を目指していく意味において、本市における各施策は市内の製造業への強い後ろ盾であると言えましょう。
 しかしながら、これら制度はその対象が工業系地域に限定されています。工業系地域とはいいながら、工業専用地域、工業地域に限定されており、準工業地域においてはその対象外となっている現状です。市内には工業系地域以外でも、その地においてひたむきに事業に取り組み、独自の技術を活用した新たな事業展開を図ろうとする企業があることを、市長は御存じでしょうか。
 取り巻く厳しい経済環境の中、このまま推移すれば、市内の製造業は雇用力や生産力の低下が進み、衰退へと向かう可能性を否定できないことを考慮し、これまでの対象者要件となる用途地域について緩和することが肝要と考えますが、市長の市内製造業の活性化に対するお考えはいかがでしょうか。お聞かせください。
 次に、企業誘致についてお尋ねします。
 企業、観光客誘致のための特命担当の設置方法、及び同担当を民間公募とする理由について質問の予定でしたが、さきの新政会加藤議員の質問に対し、企業誘致についての特命担当は先送りにするとの答弁がありましたので、その設置方法については割愛いたしますが、これまで市長はこの特命担当について民間から公募するとしています。
 そこで、市長にお尋ねします。なぜ民間公募の新たな職員を募らなければならないのか。また、現組織における企業誘致推進課、観光課職員ではなぜだめなのか、その真意と理由をお聞かせください。
 また、蒲谷前市長は平成18年当時、トップセールスとして韓国、東京都大田区へ企業誘致にみずから出向かれました。吉田市長は市外の企業、国外の企業に対して同様に働きかけをするお気持ちはお持ちでしょうか。企業誘致には誘致に対する熱意と、決してあきらめない根気が必要と思いますが、市長の企業誘致に対する思いをお聞かせください。
 次に、積極的な企業誘致を推進するに当たり、その対象とする指定産業地域は、YRPの未利用地8.5ヘクタールと、久里浜港の未利用地1.2ヘクタールの2カ所のみと思いますが、市長の考える企業誘致の対象地はどこを想定されているのかお示しください。
 また、YRPについては、昨年8月進出が決定していたタンガロイが事業計画を中止したことは、親会社の事情とはいえ、大変残念な結果となりました。情報通信が中心のYRPにとって異業種とも言えるタンガロイの進出が実現していたならば、今後のYRPにとって大きな意義があったのではないかと思います。
 YRPには現在65の機関が進出していますが、土地利用率は62%ほどにとどまっていると聞いています。YRPの開設から10年以上がたちました。多くの人が携帯電話を手にしていることを考えれば、情報通信、とりわけ移動体通信は成熟産業になりつつあるのではないでしょうか。YRPを今後さらに発展させていくには、タンガロイのような情報通信に頼らない異業種の研究、研修施設も広く誘致していくべきと考えますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
 次に、雇用に関する不安と新たな雇用創出についてお尋ねいたします。
 基本計画策定の参考として、市内小学生1,500人、中学生765人を対象に調査したところ、今の地域に住み続けたいと思っている児童生徒が8割を占めたとあり、一方、住み続けたくないと思っている児童生徒の35%が、将来働くところがないことを理由に挙げているとの報告がありました。本市に職場のないことが、将来への不安として数字にあらわれたものと考えますが、市長はこの子どもたちの持つ将来への不安を受けとめ、どのような解消方法をお考えでしょうか。お聞かせください。
 また、市長は示されたマニフェストの中で、地域における雇用に触れて、市長みずからがシティセールスを行い、今まで以上に誘致に力を入れ、雇用の場を創出し、特に通勤しなくても地元で勤めることができるようにしますと述べられています。また、施政方針の中でも、平成22年度はシティセールス元年と位置づけ、市長御自身が先頭に立って本市の魅力や価値を売り込むなど、取り組みを強化することを述べられています。
 私は、本市において新たな雇用を創出するのであれば、これまで続けられてきた企業誘致以外に支援業種の拡大を検討すべきと考えます。製造業のほか、衰退、疲弊する地域商業や、後継者問題を抱える農水産業に対して、積極的な施策を展開し、支援する必要があると考えます。
 特に、本市の農水産業は雇用に関して、非常に高いポテンシャルを持っていると私は考えております。食の安心安全が消費者に問われる今、消費地も近いという地の利を生かすことで、横須賀の農水産業は発展する可能性がおおいにあります。津久井には観光農園があり、年間約13万人もの観光客が訪れ、収穫体験を楽しんでいると聞いています。また、遊漁船も釣り人気が高まる中、漁業の一分野として確立し、認知されています。これまでの漁獲中心の漁業から脱皮し、地域特性を生かした海業としての水産業などに対して、多角的な支援政策の展開を行うことが新たな雇用につながると思うのです。
 そのためには、自主的な努力ももちろんですが、行政として積極的な支援を図るべき時期に来ていると認識していますが、市長はいかがお考えでしょうか。お伺いいたします。
 次に、本市産業界のポテンシャルと新たな産業創出についてお尋ねいたします。
 吉田市長は昨年の第3回定例会における市長就任の所信表明の中で、本市の産業的ポテンシャルとして、造船、自動車産業などが牽引する第2次産業は、ものづくりの技術や伝統を受け継ぐと述べられています。市長御指摘のように、本市内に多数ある製造業には、歴史と、長い経験に基づく優れた生産技術や品質管理技術があります。それらが持つポテンシャルを引き出し、新たな息吹が生まれる環境の整備が望まれるところです。
 そこで、一つ実例として挙げたいのは、1968年に発表され、後に映画化もされた、あゝ野麦峠の舞台となった長野県諏訪市、岡谷市のケースです。あゝ野麦峠は明治から大正、昭和初期にかけて、飛騨の農家の娘たちが吹雪の中を、危険な峠雪道の野麦峠を越えて、諏訪、岡谷の製糸工場へ働きに出て、当時の富国強兵の国策において有力な貿易品であった生糸の生産を支えた、女性工員たちの姿を伝えたノンフィクションであります。その有力だった生糸貿易も、世界恐慌後、新しい繊維であるナイロンの出現によって一気に衰退することになります。
 その後、同地域では、製紙工業で培った精密技術を生かし、輸出用のオルゴールの生産で一躍有名になりました。さらに戦後その技術は、腕時計やカメラの精密工業に生かされ、日本のスイスと呼ばれるほどになりました。現在では、コンピュータ関連には欠かすことのできない精密モーター等の生産地として代表的な地域となっています。時代とともに生産される製品は変わっても、そこに息づく技術力は共通です。
 また、先般2011年度から11年間の基本計画審議会の初会合では、多くの委員が人口減少を課題として取り上げ、特に転出者の抑制を求める意見が相次いだとのことであります。中でも、流出は雇用の機会がないから、新しい産業を興さないと必ず減少すると、産業育成の重要性に触れていたとあります。
 私見でありますが、本市産業界が有するその技術を生かし、新たな産業の創出を図るために、産学官協働によるプラットフォームの構築や創造など、今後必要なのではないでしょうか。これらの点について、市長はいかがお考えでしょうか。お尋ねいたします。
 折りしも、来年末から日産自動車追浜工場では、世界に先駆けて電気自動車の本格生産が始まります。また、東芝ライテックにおけるLEDライトの生産など、明るい話題もある中で、今後本市産業界の持つポテンシャルをどのように引き出そうとされるのか。市長の具体なお考えをお聞かせください。
 また、本市経済部で毎年行っている企業調査アンケートの中で、景況調査及び企業情報の調査が実施されておりますが、このデータは市内企業の潜在能力を引き出し、対外的に有効な企業情報として活用されているとお考えでしょうか。
 その内容を一見しますと、市内製造業というくくりで、食品製造から建築、木工、金属加工等が一冊の資料となっています。これでは企業の知りたい情報が適宜に入手できるとは思えません。できれば業種別に整備して、その内容も規模の紹介だけでなく、各企業が持っている機械設備の能力など、その特性がわかるようにすべきではないでしょうか。発注者はその機械の特性を知るだけで、企業の潜在能力を図ることができます。今後同様な資料作成に当たっては、企業間の情報入手のための一助となるよう、その点を考慮し作成すべきと考えます。そうしたことで、新たな受注機会の創出が可能になるのではと考えますが、いかがでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。
 以上で私の1問目とさせていただきますが、市長の前向きな御答弁を期待いたします。

議長(山下薫)

吉田雄人市長。〔吉田雄人市長登壇〕

市長(吉田雄人)

御質問ありがとうございました。
 疲弊した地元経済に対する道しるべとしての、仮称地域経済活性化基本条例の構想、中身など具体的な内容と制定時期について、御質問をいただきました。
 仮称地域経済活性化基本条例については、普遍的な理念を示す基本条例としての制定を考えています。
 議員御指摘のとおり、地元経済に対する道しるべは、それとは別に早急に示す必要があると考えています。本市には平成9年に策定した新横須賀産業ビジョンがあり、平成22年度で計画期間が満了しますので、新たな産業ビジョンを本市経済の成長戦略として位置づけ、早急に改訂作業を進め、平成23年度の早い段階には発表したいと考えています。
 なお、仮称地域経済活性化基本条例につきましては、新たな産業ビジョンの策定時に行うさまざまな調査の結果や、産業界からの声を踏まえて、平成23年度中に制定作業を進めていきたいと考えています。
 次に、設備投資特別減税制度等の対象要件緩和による、市内中小製造業者の活性化について御質問をいただきました。
 製造業に関する設備投資特別減税制度等の支援は、工業専用地域、工業地域を中心に行っています。準工業地域の中にも、周辺との調和を図りつつ頑張っている製造業者がいることは承知していますが、この地域は住宅と工場が混在し、車両の通行や騒音などが問題になる場合があるため、設備投資などハード面での支援を準工業地域に拡大することは好ましくないと考えています。ソフト面の支援には、受発注商談会でのビジネスマッチング、見本市出展やホームページ、パンフレット作成など、企業PRに対する支援、商工相談員による経営相談などがあり、これらを準工業地域の製造業も対象にして行っていますので、今後一層充実してまいります。
 なお、ハード面の支援についても、周辺環境への影響が少ないものがあれば、対象地域の要件緩和が可能かどうか、研究していきたいと思います。
 次に、観光客誘致のための特命担当を民間から公募する理由について御質問をいただきました。
 来年度新たに設置する観光客誘致特命担当を、民間から登用する理由につきましては、市職員にはない民間の経験に基づく営業力やネットワーク力など、さまざまなノウハウを活用し、即戦力として実践的な営業活動の展開を期待しています。今後その業務にふさわしい人物を選任していきたいと考えています。
 次に、私自身による企業誘致の実践及び企業誘致に対する思いについて、御質問をいただきました。
 地域経済の活性化のためには、企業誘致に今まで以上に力を入れて取り組んでまいります。そのためには、市外の企業、外国の企業を問わず、どこへでも出かけ、アプローチしていく必要があると考えています。また、昨年は市内に立地している企業を核とする集約統合型の企業誘致に成功事例があり、現実的な取り組みであると思いますので、市内企業ともコミュニケーションを密にしていきたいと考えています。企業誘致を成功させるためには、小さな芽であっても、私みずからがすぐに駆けつけ、また立地に当たっての課題があれば、私みずからが調整に当たって迅速な解決を図るなど、トップセールスを積極的に行ってまいりたいと考えています。
 次に、企業誘致の対象候補地について御質問をいただきました。
 指定産業地域で言えば、議員の御指摘のとおりです。その他の地域では、民間が所有する長坂の用地1.8ヘクタールがあり、YRP、久里浜港と合わせた3カ所を対象地として誘致活動を行ってまいります。そのうち市所有の産業用地は、残りわずか1.4ヘクタールとなっています。今後、産業用地の確保が大きな課題となってきますので、既存の未利用地なども含めて、産業用地の確保に努めていきたいと考えています。
 次に、YRPの企業誘致について、情報通信系以外へも誘致対象業種を拡大したらどうかという御質問をいただきました。
 携帯電話は広く普及し、成熟産業になりつつあると思いますが、国および移動体通信関連産業では、携帯電話のマーケットを世界に広げていくための取り組みを進めていますので、今後マーケットの拡大が期待されています。
 議員御提案のとおり、誘致対象を移動体通信分野以外にも広げれば、YRPへの立地可能性が高まりますので、対象業種の拡大を図り、私みずからトップセールスを行い、誘致促進を積極的に図っていきたいと考えております。
 次に、市内に将来働きたいところがないことによる子どもたちの持つ将来への不安を受けとめ、どのような解消方法を考えているかという御質問をいただきました。
 子どもアンケートは、平成20年9月に、本市基本計画を初めとした施策の企画立案に活用するため、市内の小・中学生約2,300人を対象に実施しました。
 アンケート結果によると、住み続けたくないと回答した小学生は全体の12%、中学生は全体の26%で、その理由として、小・中学生ともに、将来働きたいところがないからが35%でトップでした。
 民間会社の調査によると、小・中学生が将来なりたい職業として、男子はプロスポーツ選手、医師、学者、博士、ゲームクリエーターなど、女子は保育士、幼稚園の先生や看護師、漫画家、芸能人、美容師、パティシエなどとなっています。
 子どもたちは将来の職業に多くの夢やあこがれを持っています。子どもたちの将来の夢が実現できるようさまざまな仕事があるまちにしたいと、そういう意味では思っています。そのためには、今ある横須賀の産業や企業のよさを知ってもらうと同時に、企業誘致や空き店舗対策、創業支援策などにさらに力を入れて取り組んでまいりたいと考えています。
 次に、雇用の観点から農水産業に対して積極的な支援を図るべきと認識しているが、私の考えはいかがかという御質問をいただきました。
 議員御指摘のとおり、本市農水産業は食に対する安全安心の指向が高まっていることや、大きなマーケットを有することなど、多くの可能性、成長性を持っていると思っています。
 この成長性を持つ農水産業を活性化する最も重要な視点が、地産地消の推進であると考えています。
 雇用の面から農水産業を考えたときに、参入条件が非常に厳しいことなどの理由から、今までは新たな就業の場とはなりませんでした。しかし、農業については昨年の農地法改正で参入要件が緩和されたこと、昨今の経済情勢などから農業従事希望の若者もふえていることなどから、私としてはやる気のある方が広く参入できる仕組みを研究したいと考えています。
 雇用創出の観点では、地産地消の推進が生産者と消費者の交流を生み、小売、飲食などのサービス分野で効果が生まれることを期待しています。例えば、よこすか葉山農業協同組合が建設するファーマーズマーケットや、新港埠頭交流拠点賑わいゾーンで検討している施設についても、雇用面で大きく寄与するものと考えています。
 また、観光農園や観光漁業などについては、本市の魅力の一つであり、集客力が高いと認識していますので、関係機関とも連携しながら、今まで以上にPRを行い支援してまいります。また、農漁業の生産者団体が、みずから地場の味を提供する施設を計画したいというような話があれば、支援をしてまいりたいと考えています。
 次に、本市産業界が有する技術を生かし、新たな産業の創出を図るための産学官協働事業について御質問をいただきました。
 本市では、企業と大学の交流広場inYRPの開催や、産業振興財団によるマッチング事業の取り組みを行うなど、少しずつではありますが産学連携の芽が生まれつつあります。例えば、日造精密研磨株式会社と電気通信大学の連携によるパラボラアンテナの表面研磨技術などの産学官連携の実績が出てきています。このような活動を継続していきながら、産学官協働によるプラットフォームの構築、創造について、今後研究してまいりたいと考えています。
 次に、本市産業界の持つポテンシャルを引き出すための具体的な方策について、御質問をいただきました。
 電気自動車やLEDは低炭素社会の実現に向け、今後成長が見込まれる重要な製品です。これらの製品の生産や開発が市内で行われることは、市内企業にとって大きなチャンスであると考えています。
 本市としては、ものづくり技術開発促進事業補助金や、設備投資特別減税制度などを活用いただき、市内企業がこれまでに培った技術力やノウハウなどを生かして、新たな分野にチャレンジし、事業を発展させていただくよう積極的に支援してまいります。
 さらに、必要に応じて新しい支援メニューの創設も検討するとともに、企業誘致の面でも成長が見込まれる環境関連分野などに特に力を入れ、トップセールスに取り組んでまいります。
 次に、企業調査アンケートの結果の活用状況に関する認識、また市内企業による新たな受注機会創出に向けた同アンケートの実施方法の見直しについて御質問をいただきましたので、あわせて御回答いたします。
 本市では、市内製造業の情報の把握や、今後の施策の参考とするために、企業訪問や国の統計調査のほか、独自にアンケート調査を行っていますが、回収率が低調なため、御提案のような活用は現状では難しいと考えています。ただ、市に具体的な受発注に関する相談、問い合わせをいただいた場合には、相手企業の了解を得た上で個別に紹介をさせていただいています。
 新たな受発注機会を創出するためには、それぞれの企業が持つ機械設備などの強みを情報発信することは大変重要であると考えています。そのため、従来から行っている見本市出展支援に加え、平成21年度からホームページやパンフレット作成など、企業PRに対する支援制度を拡充いたしましたので、これを活用いただき、ビジネスチャンスを拡大していただきたいと思っております。また、今後は市内各企業ホームページのポータルサイトの構築の可能性も研究していきたいと考えています。

議長(山下薫)

田辺昭人議員。〔田辺昭人議員登壇〕

田辺昭人

市長、御答弁ありがとうございました。
 それでは、再質問として企業誘致に関して2点お尋ねいたします。
 まず特命担当に触れてですけれども、今の御答弁の中で、特命担当を民間から登用する理由として、民間の感覚を持ち込む、あるいはネットワークに期待をする、また即戦力としての期待感というようにお話があったと思います。
 企業誘致や観光客誘致、これは本市にとって重要な課題であると、私も十分承知をしております。
 そこで、あえて特命担当として民間から採用する職員の採用に当たって、その成果とかかるコストに対して、評価の基準や、またその評価の期間をどう考えていくのか。そこに当然ながら一定の成果を求めていくわけですから、私はこのような、責任の所在が明確でない採用方法には疑問を感じざるを得ません。また、部局内に民間的な発想を職員に求める、こういうことはよくわかります。そういった意味では、研修や出向という形である期間民間企業に派遣して、そのノウハウを身につけるなどということもあるのではないでしょうか。
 いずれにしても評価のしにくい業務を、民間出身とはいえ非常勤職員として採用することは、本当に目的が達成できるのか、はなはだ疑問を持つところです。本市にとって重要な課題である企業誘致や観光客誘致については、むしろ部局内における企業誘致、あるいは観光客誘致等のスペシャリストを育成すべきではと考えますが、市長はその点についての御認識はいかがでしょうか。御所見をお聞かせください。
 次に、市長のトップセールスについてお尋ねいたします。
 市長からいただいた御答弁でも、企業誘致に関してみずからトップセールスの任に当たるとの強い姿勢を示していただきました。
 私は前市長時代、蒲谷前市長みずから強い意気込みをもって企業誘致に出かけられたことについて評価をしておりました。しかし一方で、その後の対応についてはいささかの疑問を持っていました。なぜなら、訪問後の経過やその進捗、結果に対する説明がとぎれてしまって、その後の状況については何ら報告のないまま、尻切れトンボになってしまったからであります。
 韓国訪問の際は、訪問時の現地商工会議所で歓待されたとの報道がありましたけれども、トップセールスとなればそれなりの歓待を受けるのは当たり前のことで、こうした誘致活動の真価が問われるのは、むしろその後の地道な交渉や提案の作業ではないでしょうか。しかし、その後の誘致活動や経過についての説明は一切ありませんでした。これでは、せっかくのトップセールスやシティセールスが、ただのパフォーマンスにすぎなかったと思わざるを得ないと考えます。
 結果は別にしても、しっかりとその後の対応をとることは無論であり、訪問しただけとなれば、これは税金の無駄遣いと断ずるを得ません。本来であれば訪問後、所管部局である経済部職員にその後のフォローを指示するなどして、それぞれを完結すべきと考えます。また、これは私のサラリーマンのときの経験から思っても、担当の職員は役割や責任を託されることで、そのやる気も一層奮起するのではと考えますが、市長はいかがお考えでしょうか。市長の御所見をお聞かせください。
 市長就任から7カ月、33歳という全国で3番目の若さあふれる市長として、広く注目を集めるところと思います。また、同時に市民の期待もそれだけ大きいことと思います。今、横須賀市民が求めているのは、この疲弊する本市経済の再生であり、一刻も早い雇用不安の解消であります。若さの特権は大胆な発想と行動力であり、吉田市長には改めて、独創性を持ってしっかりと地域に根ざした経済政策への取り組みを強く要望し、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

議長(山下薫)

吉田雄人市長。〔吉田雄人市長登壇〕

市長(吉田雄人)

再質問ありがとうございました。答弁をさせていただきます。
 特命担当を民間から選任することについて、逆に市役所の職員の専門家、スペシャリストを研修や出向などをさせる形で養成すべきではないかという御質問でした。
 議員も1問目の質問の中で、なぜ市職員ではだめでという言い回しもされていらっしゃいましたが、私としては、これまでの市の職員の頑張り、あるいはスキルというものを決して否定するものではないということは、ぜひ御理解いただきたいと思います。
 ただ、やはり民間の方々がお持ちになっているネットワークであるとか、営業力であるというのは、市役所のこれまでの仕事の中ではなかなか築くことのできないようなものもあるのではないかと思っています。実際、今JR東日本から、毎日出張という形で職員の方が観光課に来ていただいています。3月1日から期間限定ではありますけれども、こうした方や、これから選任する民間の方が、逆に市役所の職員の皆さんによい意味で影響を及ぼすことになるのではないかと考えています。
 また、評価の基準についてあいまいという御指摘も再質問の中でありましたけれども、私もその点については、やはり気をつけていかなければいけないポイントだと思っています。
 ただ、今まで例えば観光客誘致のための目標数値というものがなかなかとりにくい現状がありました。県の持っているデータでも、年間の何日かを抽出して、来た人たちの数を365日で平均して出すと、それで年間の観光客数を出すというような形で、すごくあいまいな数字しか横須賀市は持っていませんでした。そういう意味では、逆に正確にカウントできるような数字を目標数値と置いて、プランの中に位置づけて、こうした民間からの雇用を評価していただく一つの基準にしていただければと思っています。
 そして2点目、やはりトップセールスについては、パフォーマンスではなくて地道な提案や交渉の作業と、あとあとのフォローというのが大切なのだと、ですから、そういったことをしっかり取り組むべきではないかという趣旨の御質問をいただきました。また、若さや大胆な発想ということでおっしゃっていただいたのですが、既に、33歳で当選して全国で3番目に若かったわけですが、34歳になりまして全国で4番目の若さになってしまいました。
 ただ、トップセールスというのは、議員再質問の中で、結果は別としてもとおっしゃったのですけれども、私は逆に結果こそがすべてであると思っています。特に私自身に関して言えば、よく頑張ったねという頑張りの過程が評価されるのではなくて、どれだけ企業を誘致することができたかが、このシティセールス元年と位置づけた評価になってくると思っています。
 そうした意味では、逆に私としてもパフォーマンスに走るのではなくて、経済部を中心としたスタッフを含め、その後のトップセールスを行った後の地道な提案作業、あるいは交渉の作業、あるいは調整の作業、コーディネートの作業、そういったものをしっかりと行っていきたいと考えています。
 以上です。

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