
田辺昭人議員。
〔田辺昭人議員登壇、拍手〕
発言の機会をいただきありがとうございます。提出いたしました発言通告に従い質問をさせていただきます。
私は、増加する公用車の事故に関する今後の事故軽減への対策と取り組み、事故処理に関する職員の負担について質問いたします。
昨年の交通事故発生件数は全国で80万件に達し、負傷者数は9年連続で100万人を超えていることは、さまざまな報道で広く知られているところであります。本市では、平成20年10月現在、610台の公用車を所有し、それらの車両が連日市民生活の向上のために市内全域で活躍をしております。相当数の車両が毎日稼働しているということは、比例して交通事故の危険も大きくなることは否めません。昨年度は44件の交通事故がありました。過去5年の発生件数から見ると、平成15年度21件、平成16年度37件、平成17年度40件、平成18年度33件と増加傾向にあることは大変残念なことと思います。
公用車における交通事故や違反行為は、職員一人一人の行為にとどまらず、損害賠償や管理責任に対する行政処分によりイメージダウンを招くことであり、結果、本市に対する信頼が損なわれることになるのではないでしょうか。
現在、本市では、職員向けの安全運転研修として、総務部人事課主催により業務運転を行う職員を対象に、交通安全に対する意識を高め、交通事故を未然に防ぐことを目的に研修を行っております。1つは運転適性総合検査機器搭載車ゆとり号により、走行中の他車に対する危険予測、反応時間測定、ハンドル追従時間測定等の検査を行い、神奈川県警察本部交通総務課の警察官からアドバイスを受けるカリキュラムであります。平成19年の受講者数は48名でした。2つ目は、同じく人事課主催の横須賀警察署交通課職員による約90分の交通安全講話であります。昨年の受講者数は100名でした。
公用車の管理は現在、市長部局、消防局、上下水道局、教育委員会の4カ所で行われています。そして、それぞれで車両管理及び運転業務に携わる職員の安全運転管理が行われています。市長部局と上下水道局、教育委員会は、先ほど申し上げた人事課主催の安全運転講習会に参加しております。
なお、消防局では緊急走行をする特殊性から、公用車の運転者全員を対象に、車両操作研修の実施のため自動車教習所及び訓練センターにおいて実車訓練を行っています。さらに独自のマニュアルに基づく部局内での自主的な事故検証と今後の防止対策に向けての話し合いを常時設けており、私は、このような業務運転の対象者に対する安全運転講習会の定期的な実施は交通事故抑止のために重要なことと考えます。
そこで、交通事故抑止活動についてお伺いいたします。
本市には、自動車運転を業務としている職員が16名、運転業務従事について登録されている職員が2,252名在籍しております。また、全国の25歳から60歳までの平均免許保有率が約96%と言われている中で、本市の業務運転対象者の安全運転講習会の受講率は大変低いように思われますが、市長の御所見をお聞かせください。また、公用車事故の抑制と防止について、市長のお考えをお聞かせください。
次に、質問の2つ目として、公共交通機関や一部官公庁で採用している公用車の昼間点灯についてお伺いいたします。
昼間点灯とは、車両運行に当たり昼間の明るいうちから前照灯を点灯することにより、みずからが運転する車を目立たせることで、早期に対向車や歩行者など周辺の人々にみずからの存在を気づかせること及び周囲よりも目立っていることを運転者が意識する心理を利用することで、事故の発生を抑えようとするものであります。ふだん、町なかで京急バスや宅配のトラック、一部タクシーなど日中からヘッドライトを点灯しているのを目にすることがあると思いますが、このように意味なく点灯しているわけではありません。
昼間点灯の取り組みは、鉄道事業者がいち早く取り組んだとのことです。東海道新幹線は開業時から常時点灯で運転を開始しました。その後、1990年ごろから列車の視認性と安全性、また運転保安度の向上などを目的に広く実施されるようになり、現在JR全社と大半の私鉄で実施されているとのことであります。一方、自動車の分野では、既に二輪車において1998年に保安基準で常時点灯が義務づけられ、エンジン始動と同時に点灯する機構になっており、町なかで見受ける二輪車はすべて常時点灯になっています。また、四輪車への取り組みは、既に多くの自治体やトラック、バスを用いる大手企業などが参加しております。諸外国ではヨーロッパを中心に10数カ国で法制化されているそうです。最近では、夕暮れ時を早目に察知して自動点灯するヘッドライトを搭載した新型車も発表されております。
本市においても、バス、タクシー、トラック等公共交通機関のほか、身近な実例として幼児を安全に送迎する幼稚園バスや委託業者による定日ごみ収集運搬車、俗にいうパッカー車が昼間点灯を実施しております。実施している事業者の方数人に伺ったところ、昼間や夕方のヘッドライト点灯は車両の発見に効果を期待できるとの評価があったことを申し添えます。特に、これから冬を迎え日照時間が短い季節となり、早朝、夕方の薄暮時は昼間に比べて車両の視認性が低下し、事故も多発すると言われています。公用車の昼間点灯の実施は交通事故防止効果の向上に寄与するものと考えますが、市長の御所見をお聞かせください。
3問目として、公用車による事故の発生から解決までの対応と処理についてお尋ねいたします。
本市においては、上下水道局が民間の保険会社に加入していますが、市長部局管理の車両502台の公用車は、交通事故に当たり事故現場の初期対応の段階から相手方との間における交渉、そして最終的に示談まで、交通事故を起こした所管課で対応し解決をすることになっています。つまり、部下の起こした交通事故は、所管の上司が相手方と交渉し、示談書を取りつけて解決をしているということであります。
一般に交通事故において、相手方と示談による解決に向けて交渉を行う場合、特に人身事故や単独事故以外のケースでは賠償義務や過失の問題など専門的な知識が必要だと言われています。さらに一方の事故当事者が自治体ということになると、相手方の見る目も非常に厳しくなると思われます。厳しい財政状況のもと、投資的経費の抑制はもちろんのこと、人件費を含めた必要的経費の抑制も喫緊の課題であると承知しております。今後の職員数の削減傾向の中で、本来の職務に加えて、万一公用車事故が発生した際の対応や示談交渉など、新たな負担を強いることは業務から逸脱し、大きな精神的な負担や事務的負担につながるのではと懸念されますが、市長はどのようにお考えでしょうか、御所見をお聞かせください。
また、公用車事故に当たり、その対応について職員が当たるというケースは本市以外でも見られるようです。それは、地方自治法第263条の2の規定に基づき、昭和23年に創設された相互救済事業である社団法人全国市有物件災害共済会に多くの自治体が加入し、本市と同様に職員が示談交渉に当たってきたからであります。その災害共済会からの共済金は、議会の承認等により決定した賠償金を一たん市が相手方に支払った後、市に対して支払われるものであります。一般的な自動車保険は、契約締結時に一定の保険料を支払いさえすれば、契約に沿って示談交渉を含む事故対応サービスが受けられますが、本市の自治体共済には示談交渉の代行はありません。そのため、財産管理課では専門アドバイザーを非常勤職員として雇用し、人身事故の初期対応から以降の各種相談まで所管職員とともに対応し、物損事故では要請があれば同様に対応しております。
しかし、相手方と直接交渉に当たる職員に十分な専門的知識、ノウハウがなく、事故における処理対応が遅い、交渉対応がうまくいかないといった事態が生じた場合、相手方となる市民の方々に不満が起こり、ひいては事故を起こした自治体である本市に対する不満につながる可能性が考えられます。現在、同様の観点から、他都市での公用車事故における発生から解決までの事務手続の検討と見直しが図られ、既に神奈川県下では、県はもとより横浜市、厚木市、綾瀬市、相模原市、大和市が民間の自動車保険に移行しております。そして、先ほど申し上げましたように、本市上下水道局では以前から民間の自動車保険に加入しているため、職員が交通事故の解決に業務として関与することはありません。
このように、現在、本市の中でも公用車事故が発生した際に2通りの事故対策が存在すること、そして、その違いによって諸手続や示談解決までの間の負担が部局間で違うことについて、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
年末の気ぜわしい時期を迎え、世間的にも慌ただしい中、特に最近、交通事故に関する報道も多く取りざたされております。一般市民も含め、大きな社会的問題である交通事故の防止、抑止に向けて多くの公用車を保有し、運行管理している本市みずからが率先して安全運転の徹底を図り、そして全庁挙げて今後の交通事故軽減に取り組まれることを強く要望し、私の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
蒲谷亮一市長。
〔蒲谷亮一市長登壇〕
お答えを申し上げます。
まず、本市の業務運転対象者の安全運転講習の受講率が低いこと及び公用車事故の抑止と防止についてでございます。
御指摘のとおり、本市の業務運転対象者数2,252名に対して、平成19年度における、ゆとり号を含めた安全運転講習受講者数148名という現在の受講率は、単年度で計算しますと約6.6%でございますが、ただ、この研修は長期にわたり毎年実施しておりますので、職員の多くが一度は受講した経験があると承知をしております。
しかしながら、公用車の事故につきましては対物事故を中心に増加傾向にございまして、一人でも多くの職員に対して、今まで以上に常に万全の注意と安全運転を心がける機会を設けていかなければならないと考えております。そのために、今後は、現在実施しております安全運転講習を拡大実施してまいります。また、各職場において事故防止対策について自主的な話し合いを行う場を設けさせます。安全運転講習受講者に職場内研修を実施をさせて、安全運転に対する全庁的な意識の向上を図ってまいりたいと思います。
次に、公用車の昼間点灯の実施についてでございます。
昼間点灯、一部の輸送業者が実施していることは承知をしております。平成17年に警察庁交通局が発表した昼間点灯に関する調査研究結果というのがございまして、それによりますと、昼間点灯を自発的に実施している輸送業者からは、昼間点灯には概して交通事故抑止効果があるとの報告がなされているものの、どのような状況下でこの効果が発揮されるか等の科学的分析はほとんどなされていないため、引き続き効果に関するデータを蓄積する。こういう報告書でございまして、そういう段階にとどまっております。横須賀警察署に確認をいたしましたが、昼間点灯を義務づけるという動きはないそうです。特に警察が特段推奨しているということでもないようでございます。
このような状況から、公用車の昼間点灯につきましては、今後の警察の動向、交通状況を見ながら対応していきたいと考えておりますが、ただ、昼間でありましても視認しにくい雨の降った降雨時、それから薄暮、こういうときに早目の点灯、これは以前から職員に対して励行を促しておりまして、今後も周知を図ってまいりたいと、このように思います。
次に、職員にとって、公用車の事故が発生した際の対応や示談交渉などが大きな精神的負担や事務的負担につながっているのではないかという御指摘でございます。
御指摘のとおり、公用車事故が発生したときの対応、特に示談交渉に関しましては、職員の負担になる場合はあろうかと思いますが、事故後の対応をある程度行うことによりまして、事故に対する注意、事故防止の認識、これを強める効果もあると、こう考えております。
現在、示談交渉を要する対人・対物事故は年間8件程度発生をしておりますが、保険は社団法人全国市有物件災害共済会の自動車損害共済に加入しておりまして、事故対応は、事故の当事者である職員やその所属長が非常勤の事故相談員のアドバイスを受けながら行っております。補償内容等は、事故相談員や災害共済会が算定をして、職員は相手方への事務連絡を担当しております。今後は、示談交渉に事故相談員が一層関与するなど、できるだけ職員の負担を減らすように工夫をしてまいりたいと考えております。
それから、最後に、市長部局と上下水道局で2通りの事故対応が存在しているが、部局間で異なることについてどう考えるかということですが、市長部局では、以前は車両の数、事故件数、補償額などを勘案した結果、保険には入らないで、事故が起こる都度、予備費を使って対応しておりました。平成14年度に見直しを行って現在に至っております。
一方、上下水道局は市長部局に比べて保有する車両の台数そのものは少ないのですが、稼働率が高く事故の起こる可能性が高いこと、また、有馬浄水場等市外の施設に配備している車両の事故が起こる場合に対応に手数がかかるといったようなことを勘案して、昭和40年代から示談交渉つきの民間保険に加入をしております。
このように、市長部局と上下水道局とでは、おのおのの実情に合った事故対策をとっておると考えておりまして、両部局の職員の負担に差があることは、これはいたし方がないと、このように考えておるところであります。
以上でございます。
