活動報告

平成23年度 自由民主党視察 6月28日(火)〜30日(木)

6月28日 東京都大田区 住宅リフォーム助成事業

大田区では、区民が個人住宅について、区内中小事業者を利用し、防犯・防災対策、バリアフリー化ならびに環境への配慮のための住宅リフォーム工事を行う場合、工事費用の一部を予算の範囲内で助成を行っている。
区内中小事業者の仕事を確保し、地域経済の活性化を図るとともに、地域力を活かした安全、安心、快適な街づくりに資することを目的とする制度である。
特に景気が低迷するなか、建設業を取り巻く環境は一段と厳しくなっている。産業の裾野が広い建設業の低迷は地域経済に与える影響も少なくないと思われる。
そうした中での同制度の運用の効果について、興味深いところである。

  • 助成額は、工事費の5%とし、助成額の上限は10万円。
  • 助成の対象は10万円以上の工事とし、増築を含む。ただし、新築・建替え、単に機器の設置をのみの場合は対象外となる。
  • 区が行う助成制度または保険給付制度を活用した場合もあわせて利用できる。


ア 大田区耐震化助成事業
イ 大田区介護予防住宅改修費支給
ウ 大田区居宅介護住宅改修費支給
エ 大田区高齢者自立支援住宅改修助成事業
オ 大田区重度身体障害者(児)住宅改造相談・助成事業
カ 大田区屋上緑化・壁面緑化助成制度
キ 大田区住宅用太陽エネルギー利用機器設置助成


実績(平成23年6月現在)
事前相談受付 26件
本申請    7件


所感

前述したように、地域経済へのカンフル剤として同制度に対する期待は少なくないと考える。しかし一方で、同制度の施行の難しさも感じるところである。
それは、あくまでも個人資産への税の投入であり、ばらまきとも言えるからである。それだけに慎重を期すことが重要と感じた。また、そうしたハードルを超える理由付けが必要とも言えるだろう。
それには、社会情勢の変化への対応としての地域の経済活性化が何よりも優先という行政の姿勢があればこそではないだろうか。その確信が無ければ、こうした制度の推進は難しいと思う。
また実績として、相談件数や申請件数も決して芳しくない状況であり、今後の同制度の運用が興味深い。

  • 厳しい経済状況から、リフォーム工事に対する重要が少ないこと。
  • 事業者サイドの同制度に対する認識がまだ薄いこと。
  • 区のH.Pや区報、ちらし配布等を行うも、更なる周知が必要ではないか。

本市における建築業界の現況は、大田区同様に大変厳しい状況であり、まさにこうした施策は必要と考える。
例えば、手すり取り付けやバリアフリー化をきっかけとして工事範囲の拡大が望めること。ユーザーが考慮中としている際、動機付けになりうること。
などが挙げられる。
現在、他自治体での実施状況は目黒区・足立区・品川区などで実施されているが、本市においても十分検討すべき課題と考える。

6月29日 旭川市「まちなか活性化交流拠点創出事業」

旭川市は、北海道の上川盆地、中央部に位置する道北の拠点都市である。
交通は旭川駅がJR4線の結節点として、また道路網でも道央・道北を始め道内各地へ連絡しており、交通の要衝となっている。
人口は約35万人余りで人口動態としては微減傾向といわれる。


都市機能の現状について
全国的な傾向として、車社会の進展や生活スタイルの変化に伴い、郊外型大規模商業施設の進出等により、中心市街地の衰退が危惧されており、この点では本市も同様である。この状況を放置することは地域全体の地盤沈下につながることから、
平成18年、国の「中央中心市街地活性化に関する法律」に基づき基本計画を策定し、平成23年3月、国からの認定を受けたところである。
まず、そのコンセプトとしては「平和通買い物公園」を中心とした賑わいの再生である。

  • 買い物公園を中核とした生活交流拠点の形成
  • 同公園を軸とした時間消費型回遊空間の創造
  • まちなか居住の推進
  • 商店街・市民・行政協働による継続イベントの開催
  • 観光客誘致等

今後5年間に渡る計画期間をもって、市内訳82haの区域をその対象とする。

興味深い点
まちなか居住を進める中で、中心市街地への移住を希望する市民、例えば高齢者。また一方で郊外での生活環境を求める層の市民、たとえばニューファミリーなどそれぞれのニーズに応える為の情報提供に力を入れていること。
また、交通網の見直しを図り、公共交通網の再整備を考慮するなどである。


所感

  • まちなか居住を進める中で、そのことが僻地住民の切捨てにつながりかねないこと。
  • 買い物難民の増加助長などの懸念を持つ。拠点と交通網のバランスをより一層考慮すべきと考える。

また、活性化については本市も同様で地産地消を前提に、域内における消費の拡大を重点としたイベントの継続開催、B1グランプリに見られる「食」に関するイベントが効果的と考える。

6月29日「まちなか交流館」

買い物公園の空きビルスペースを活用し、観光情報のほか地場産品にかかわる新商品や試作品のアンテナショップ機能、市民が気軽に立ち寄れる遊び・学習・交流など、人・もの・情報の拠点として形成。運営については旭川商工会議所が運営主体として運営管理を行っている。また、企画運営委員会として同商工会議所、市、高等教育機関、NPO団体が組織されている。


施設設置の狙い

  • 機能を集約し、多く市民が立ち寄る機会を拡大する。
  • 旭川の強みを活かした新たな展開(食・健康など)
  • チャレンジしようとする人たちを応援

  1. 観光情報センター
    1階に観光情報センターを設置し、観光客に対する観光情報の発信や飲食店・交通機関等の案内を行う。
  2. ワンデイシェフカフェ
    日替わりで地場農産物等を食材としたメニューを提供
  3. 交流館ショップ
    加工品・農産物・工芸品等のテスト販売や新商品の販売を含めた情報発信
  4. チャレンジショップ
    商工会議所が実施している操業・開業希望者に対する体験スペースの提供
  5. HIROBA
    市内4大学・1短大・1高専などの連携教育事業。市民への生涯教育の提供などの連携公開講座事業などを実施
  6. まちこみゅ
    高校生を中心とした若者の学習・交流の場など自由スペースとして一般開放する。
  7. 子育てほっとステーション
    親子が気軽に休み、遊べる場所の提供

所感

  • 施設運営の費用対効果が見えにくいことから、難しい面があると思われる。
  • 市内の大学等の特色を活かし、産学官の連携の事業は将来的に意義深いものと思う。
  • 市内大学の在学生に、まず旭川のことを知ってもらうことが大事。との考えは大変重要なことである。

以上のことは、本市における地元大学、学生と多面的に交流を図ることなど、諸課題に対しても有効と思う。

6月30日 札幌市 認定こども園「にじいろ」

本市では、現在35名の待機児童数であるが、札幌市では850名の待機児童数が報告されており、その対策については急務である。
近年都市部では、幼稚園の定員割れ、保育所の待機児童の増加、地方では子どもの集団の小規模化など、従来の枠組みでは対応できない状況があり、多様化する保護者ニーズなどに対応するため、平成18年の就学前保育等推進法施行により、従来の枠組みに加え、新たな選択肢として「認定こども園」が制度化された。
札幌市では、この都市部と同じ状況にあることや将来、民間事業者への普及を想定して、まずケーススタディとして幼保連携型の同子ども園を設立した。

同園の機能は
幼稚園機能
3歳以上、(月)〜(金)午前9時から午後1時半まで
昼食は、弁当・給食の選択制、預かり保育(有料)
保育園機能
(月)〜(土)午前7時から午後6時まで
延長保育・一時保育(有料)
子育て支援機能
誰でも利用できるオープンスペース
利用時間:(月)〜(土)午前9時から午後5時


所感

文科省の所管で運営される幼稚園と厚労省の所管の保育園。
組織の違いは、現在も変わっていないため、幼保一体といえども同様である。
同園においても機構上、所属が異なる職員で構成されているが、一体運用されているため、支障は無いとのこと。
試行錯誤を重ねながら、平成21年の開設以来、2年間かけて現在のカリキュラムと「育成目標」の確立となった。
苦労な点を伺うと、幼稚園と保育園の時間帯が不統一であり、手続きも異なることから、保護者間の共通理解を得るための場を設けているとのお話だった。
このような「認定こども園」の話題がある一方で、幼稚園での入園前の保育事業や延長保育の話題も聞くことがある。
待機児童の数にしても、「働くことができれば、預けたい」という潜在的なニーズは含まれていないなど、実態とかけ離れていると考える。働きながらの子育てという生活スタイルが一般的とされる現在、これに応えていくことは行政の責任ではないだろうか。子育て環境の充実は、本市にも課せられたテーマでもあり、しっかりとした対応が求められる。

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