活動報告

会津若松市グリーンツーリズム

田辺 昭人

10月27日(水)会津若松市議会
面談者 会津若嫁会 佐藤あかね氏ほか
「会津若松市グリーンツーリズム」

グリーンツーリズムとは

都市住民が「心の豊かさ」を求めている中で、自然や生活文化の残った農村をふるさとのように大切にし、何度も訪れるような交流をいう。 交流の効果として地元農産物の提供等による農家所得の増大や高齢者や女性の活躍する場所の提供といった地域活性化に大きく貢献するものである。

事業の経過

平成9年度に会津若松市グリーンツーリズムモデル整備構想を策定に着手。 翌平成10年度に基本計画を策定。
平成11年度以降はモデル地区における体験メニューの具体化と実践を中心に取り組んできた。具体には、体験交流活動の取り組みを市内全域で展開していくよう支援を図るとともに、ワーキングホリデー事業の実施や農家民宿開設推進など、滞在型受け入れ態勢の整備に向けた取り組みを実施している。

1.グリーンツーリズム支援事業

基本計画に基づき、湊地区・大戸地区の2箇所を指定。
実行委員会を組織し、地域住民主体による話や会議で両地区におけるグリーンツーリズム事業の体験交流メニューを具体化。また、市内全域における農業体験や農家民宿などの滞在型受け入れ態勢の整備に向けた取り組みへの支援により、農業振興や地域の活性化を目指す。

2.ものづくりをテーマにイベント型の農業体験を実施。

「そば打ち」「味噌づくり」「酒づくり」の3コース制で事業を展開。各コースともに年間複数回の体験イベントを行い、農作業から加工までを体験。また、夏季には全コースが参加できるバーベキュー祭りを取り入れることで、地域と参加者との交流を図っている。
対象:福島県内外の都市住民
募集方法:市の広報誌、ホームページ、新聞・情報誌への記事掲載、パンフレット作成等

3.農産物直売所を開設すると共に、地元産品の宅配事業を実施し、地域農業の振興と農作物の啓蒙宣伝、新たな魅力づくりに向けて取り組んでいる。

開設方法:屋根つき直売所による朝市を実施

4.農業体験

市内農家が受け入れ可能な、農業資源を活かした魅力ある体験メニューをとりまとめ、常時可能な体制を整備。会津の農産物の啓蒙宣伝、農業振興、地域活性化を図る。
対象戸数:41農家
メニュー:田植え、収穫、そば打ち、農家体験など

a.滞在型事業
ワーキングホリデー事業
農業や農村に関心を持ち、農作業を希望されている方を地元農家が受け入れ、農作業に従事してもらう代わりに食事と寝所を提供する。
メリット:受け入れ農家 繁忙期における農作業の負担軽減や都市住民との交流による地域活性化。
参加者 農業・農村をより深く理解してもらう。

b.農家民宿推進事業
グリーンツーリズムにおける滞在型受け入れの柱となる農家民宿。
開設農家に対し、ホームページによるPRやメディアやエージェントの紹介等、誘客支援の実施。
開設農家:6戸

c.観光農業の推進
「会津若松観光農業推進協議会」を設立し、観光と農業の融和、異業種の相互連携・協議により、総合的な受け入れ態勢を整備し、交流人口の増加を目指す。
構成メンバー:市内観光農業従事者、各観光団体・施設、宿泊施設、公共交通機関、JA、会津若松市

5.グリーンツーリズム・クラブの設立

目的:農業・農村体験を行っている農家や団体が連携しネットワークを作ることで、
都市農村交流を活性化し、農業・農村の活性化と活力ある地域をつくる。これまでの行政主導から転換し、民主導・行政支援体制を築く。
会員:44
事業内容:交流事業
交流会の開催、関係機関(温泉旅館・宿泊施設、消費者など)との意見交換会
PR事業:パンフレットやHPの企画立案、作成・イベントへの参加
受け入れ態勢整備事業:体験受け入れ見学会・先進地視察ツアー・マニュアルの作成等

所見

本市においても、交流人口の増加を目論む意味合いから、この「グリーンツーリズム」は興味深いテーマと考える。 本来は「都市と農村の交流」を意味し、実際には農場で休暇を過ごすこと。ヨーロッパがその発祥地である。 わが国では、平成4年度に農水省により「グリーンツーリズム」が提唱されたとのことである。全国205箇所をモデル地区として指定し、振興を図ったとのこと。身近なところとして「三浦市」が挙げられる。 会津若松市に見られる「イベント型農業体験」としての「そば打ち」「味噌作り」「酒づくり」は、農作業から収穫、加工までの複数回にわたり、その参加者の半数がリピーターとの結果から、誘客としての効果が期待される。 しかし、当初の企画にあった「滞在型」の農業体験ツァーの企画・実施は宿泊受け入れ先の問題や費用対効果の点などから現在中断しているそうである。今後の課題も存在していると思われる。 まず、「窓口」の設置。民主導・行政支援型による体制作りを目指しているが、リスクを考慮する中で自ら名乗りをあげる農家や団体が少ない。 そもそも、農家に受け入れるだけの時間的余裕があるのか。 また、そのためにわざわざ改装までして取り組む意欲と資金があるのか。 繁忙期に来られても迷惑であるし、素人に自分の農地に入られたり、農作物・家畜に触れることを嫌がるのでは。などと考えてしまう。 宿泊を前提にするならば、あくまでも民宿事業として割り切ることが必要ではないか。 その点で、滞在型にこだわることなく、必ずしも宿泊に限定しないことも考慮すべきではと思う。 また、観光農業の推進のための協議会のメンバーに商工会議所を加えることも必要ではないか。 現在、総務省では農水省・文科省等関係省庁と連携し、「子ども農山漁村交流プロジェクト」を推進しており、会津若松市でもこの制度を利用した農行体験型教育旅行を検討しているとのことである。東京の堀越学園や本市の田浦中学が同市を訪れ、毎年体験教育を行っているとのこと。このようなことをさらに拡大していくことも必要と考える。 同市の農政課では、今後の課題と方向性として、農業・農村体験分野と観光、教育分野との連携強化を掲げている。まさにこの点について確立することが、最重要と考える。 本市に置き換えても、参考となることが多いように感じた。

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