活動報告

廃棄物処理等特別委員会・所管事務調査

平成22年8月4日(水)
田辺 昭人

1.相模原市南清掃工場

敷地面積:47199.1平方メートル
竣工:平成22年3月
処理能力:525トン/日(175t/日×3炉)
焼却炉形式:流動床式ガス化溶融炉
発電方式:蒸気タービン発電(最大10,000kw)
建築面積:約9,700u
延べ床面積:約24,000u
建物構造:鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄筋鉄骨コンクリート造
(地上6階、地下1階、煙突高さ100m)
主要設備:受け入れ供給設備 ごみクレーン、他所灰クレーン
燃焼ガス冷却設備 廃熱ボイラ
排ガス処理設備 バグフィルタ、排ガス洗浄装置、脱硝反応搭
余熱利用:場内・場外熱供給
(相模原公園内温室・市民健康文化センター)
設計施工:叶_鋼環境ソリューション
建設費:179億円


昭和55年から稼働の旧南清掃工場に隣接する場所へ、建て替えることになった新南清掃工場への視察を行う。
同工場では、ごみを高温で燃焼する「流動床式ガス化溶融炉」を採用し、ごみに含まれる鉄・アルミを良質な状態で回収すると同時に、焼却灰ではなく道路用資材等として活用できる「スラグ」を生成することで、最終処分場の延命化と資源の再利用を可能とした。
また、発電能力は最大10,000kwで、工場の稼働に必要な電力を賄うとともに余剰電力は電力会社に売電し、発生する熱を隣接の温水プールや温室に送っている。
建物構造は、実にコンパクトに機能的に構成されている印象である。
まず、ごみの受け入れについてであるが、受け入れエリアは規模に比例して、多くのごみ投入ステージが並ぶ。特に市域が広いためか、郡部のごみはまとめられて大型(10t車級)の収集車が入場する様子に驚いた。
受け入れるごみは、一般と事業系のごみである。
次に、ごみピットに投入されるわけだが、これまで見たピットの規模と格段に大きさが異なる。なんと建物の5階の位置に相当する高さの箱である。
47.5×20×H15.5mとの説明を受ける。一般的な比較では相当に大きな容積とのこと。
次に、流動ガス化炉を見学した。日本最大規模とのこと。炉中で、ごみは高温の砂(約600℃)と接触し、未燃ガス・炭化物・灰分に分解され、燃焼溶融炉へと移動し、ここで約1,200℃の高温で灰分を溶かしてスラグを生成する。生成されたスラグは冷却装置で急冷する「水砕スラグ」である。
相模原市ではこの生成される「スラグ」に対し、現在JIS規格の取得を目指し取り組むとのことである。
また、ごみを燃やした熱を利用しボイラで蒸気を発生させ、蒸気タービン発電機による発電や蒸気の余熱利用を行っている。
施設は、見学者への配慮から他都市施設と同様に、見学ルートの壁の一部をガラス張りとして主要な機器や設備を見ることができるようにして、環境教育・環境学習に適した施設としている。

2.三浦市最終処分場予定地

三浦市南下浦町毘沙門の敷地約10haの内、約2.6haを最終処分場の予定としている。埋め立て量は138,000?で69,000?を2期にかけて建設の予定である。
構造は被覆型として、屋根つき構造を予定しており、全天候型にして作業効率を高めるとともに、雨水の浸透等による地下への悪影響を及ぼすことがないように考慮される。その屋根つき構造は、処理場をいくつものブロックに区分けし、工区ごとの順番に移動していくことになる。なかなか面白いアイデアと思う。埋め立て処理が終わると、その後は覆土され、将来は緑地にするとのこと。予定される埋め立ての期間は34年間。
処理する対象は、不燃残渣物。例えば、ガラス、せともの等である。
予定地現場を視察する。宮川湾に面した谷である。一見したところ、かなりの深さのように思える。この付近は、隣接するバイオマスセンターのほか、以前からあったし尿処理施設「三浦市衛生センター」が存在する。これまでも地域住民からすれば、いわゆる「迷惑施設」がこの地域に集中することに対して、批判の声も聞かれたようだ。同計画のスムーズな進捗が望まれる。
また、個人的に風光明美なこの地形が埋め立てられることについては、残念に思うが、一方で最終処分場に必要性について考えると、微妙な思いである。

所見

各施設の視察を行い、いろんな点で学べたとの思いである。

まず、相模原市南清掃工場。
限られた施設面積の中で建設された施設であり、検討の過程では処理方式の決定に古老があったと思われる。その結果として、流動床式ガス化溶融炉を採用し、コンパクトでありながら、高い処理能力を持つ施設を目指したのではないだろうか。
流動床式のメリットは
@ 多くの実績がある
A 燃焼速度が速く、燃焼効率が高い。
B 完全燃焼のため、ダイオキシンなどの排出を低減できる。
C 焼却炉から抜き出したアルミ・鉄類は資源として再利用できる。

デメリットとしては、
@ 前処理(粗破砕)が必要である。
A 焼却炉と灰溶融炉の二つのシステムが必要なために、複雑となる。
B 灰を溶融するために別途大きなエネルギーを必要とする。

廃棄物処理等特別委員会では、これまで議論を重ねた中で「全量焼却」等を含めた検討が必要であるとして、実績のあるストーカ方式の検討を中間報告にて指摘した経緯がある。また、その背景には焼却灰の処置について、スラグ化ではなく業者による引き取りと、スラグ化を今後も継続することがあったように思う。
相模原市では生成されたスラグのJIS取得を目指すとのことである。これは、JIS認定の取得により、骨材としての利用を図るものであり、又このたびの政令市になったことで、その権限が拡大されて県道・国道も含まれることも、理由と思われる。
今後、本市での新焼却施設の検討において、ストーカ方式と流動床式のコストと効率について比較が議論されることが望ましいと感じた。
加えて、焼却灰の処理について本市では、現行の業者へ委託して県外で処分するという方式が、確実に将来も保証されるのかどうか、又、現在神奈川県ではスラグが「率先利用認定資材」として認定されておらず、他都道府県に比べ消極的と思われる現状をどう変えていくかという課題もある。
施設運転業務の委託管理と直営の場合の比較検討も充分に協議されなければならない課題である。
あらためて、「全量焼却」が前提での処理方式および施設の検討が必要と考える。

三浦市における最終処分予定地について説明を受けた際、不燃物が処理の対象であり、スラグは受け入れないと明言されていた。
前述のように「全量焼却」でいけば、必ず「焼却灰」の問題が付き物であり、業者への委託にしても、自前でスラグ化にしても、十分な検討・協議が必要と思われる。
今後、ごみの広域処理の検討過程において、スラグの処置と合わせて、ごみの受け入れから最終処分までの一連の工程をあらためて考える必要を感じた。

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