
平成20年8月5・6日
創明クラブ 田辺 昭人
初日の訪問となった郡山市は福島県の中央部、郡山盆地に位置する、市域面積約757キロ平方メートル、人口約33万8千人の都市である。道路、鉄道の要衝として古くから商業が発展し、現在では県内最大の経済都市となっている。また昭和39年に新産業都市の指定以降、いち早く積極的な企業誘致に取り組み、東北地方の工業化においても重要な役割を果たしてきたといえる。その後平成9年に中核市に移行し、名実ともに東北の商工業の要であり、その中で郡山駅西口地区は、東北新幹線・JR各線の結節点であることから、市はもとより県の中心部として位置づけられている。
事業実施前の同地区は土地利用の鈍化、建築物の不燃化が図られず、また街路網の未整備や駅前広場の狭隘等により、交通の混雑など都市機能の低下があった。そこで、当該地区の土地の合理的かつ健全な高度利用を通じ駅前広場および道路拡充整備と併せ、時代に対応した商業街区の形成と中心市街地の活性化を図るため実施した。
昭和50年の都市計画の決定からスタートした事業だったが、当初キーテナントとして予定した「そごう」が地元の反対の結果、出店を辞退するなどがあった。その後、平成2年に市・地権者・商工会議所の3者で「郡山駅西口市街地再開発事業推進作業部会」を設立、平成8年に利用計画素案の合意が得られた。
施設 |
面積 |
備考 |
店舗施設 |
約13,800u |
1〜5階(商業施設) |
公共施設1 |
約6,300u |
6〜7階(市民プラザ) |
公共施設2 |
約4,300u |
20〜24階(郡山市ふれあい科学館) |
公共施設3 |
約9,800u |
8〜14階(県立郡山萌世高等学校) |
事務所施設 |
約5,500u |
15〜19階(事務所用として分譲) |
駐車場 |
約12,200u |
1〜8階(437台収容) |
計 |
約51,900u |
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上記記載のように、商業施設・事務所施設・公共公益施設・駐車場施設の4つの用途で構成する複合ビルである。特に、上階に位置する「ふれあい科学館」は世界一高いプラネタリウムや展望、展示ゾーンを擁し、また中層を占める高校の設置は独創的発想である。これらの集客効果、特に学生は安定的な人の流入であり、科学館も同様である。さらに下層階の商業施設への効果や周辺商店街への波及効果を期待できるとのことであった。また、駅前広場の整備を再開発事業に合わせて行い、バスターミナルやタクシー乗車場、駐車場の整備に加えて、中央に多目的イベント広場を配するなど、市民および来訪者にとってこの施設は郡山西口のシンボルであり、まさにランドマークといえる。
本市においても中心市街地の活性化に向けた大滝町2丁目地区の再開発事業や今月オープンの久里浜イオンの完成による商圏の変化と今後の駅前商店街再開発など将来の課題も多いと考える。今回の視察の中で、その際に考えうる問題点を質疑した。
1) 権利者の合意形成について
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都市計画決定時 |
権利変換時 |
うち残留者[現在] |
土地所有者 |
22人 |
14人 |
8人 |
借家権者 |
6人 |
2人 |
2人 |
借家人 |
19人 |
12人 |
0人 |
合計 |
47人 |
28人 |
10人 |
この表に見る推移は都市計画の決定から、右端の現在まで25年経過したものである。ここから窺えることは、これまでこの地において商いを続けてきた人が、この機会に「継続するか。廃業するか。」の究極の選択を迫られた様子である。新しいショッピングセンターの出現で顧客の動向は大きく変化する。かつては駅前の1等地と呼ばれてきた地域も顧客のニーズから離れたシャッター通りと化してくる。新たな玄関口にふさわしい都市環境の創造は一方で商業者の決断を迫るものである。
2) 再開発エリア周辺地域とのコンセンサス作りについて
こちらの例では市、地権者、商工会議所の3者により、「郡山西口市街地再開発事業推進作業部会」を設立し、関係の4分科会を設けて全員による協議や意思決定をする場合等必要に応じて合同分科会を開催するなど、行政と地域の協議、市民の意見重視に重きを置いたとのことである。
3) 再開発事業に向けたマーケティングとテナント誘致
第3セクターの運営の一環でテナント誘致を行っており、他都市からの出店比率は50%といわれている。テナント定着率など課題もあるようだ。先に述べたように、施設の特色である「科学館」「高校」の設置を考慮すると集客における安定的確保と俗にシャワー効果と呼ばれる内部移動がテナントに対して、好影響を与えているとのこと。本市「大滝町計画」に見る、上の階層がすべてマンションとして構成される例と比較したときに、集客の要素を施設内に設置する郡山の実例は好対照といえる。
4) 中心市街地活性化を構想とするまちづくりの必要と困難を痛感した。現在、商圏としての中心市街地の弱体化がよく言われるところである。以前に比べて、人の動きに変化が見られ、郡山でも平成8年からみると客足が半減したそうである。そのような傾向は本市でも同様であり、下落に歯止めをかけ、起爆剤としての期待を受けてできた「ビッグアイ」であるが、駅周辺の活性化という点から考えると微妙だと感じた。丸井の撤退や周辺のショッピングセンターの閉鎖などマイナス要素も見受けるからである。また、将来駅の東口についても考慮すべき時期が来るであろう。現在は工業用地として存在しているが、商業、業務機能の強化および街なか居住というにぎわいのある街づくりを目指すうえで、課題となるであろう。しっかりとしたコンセプトと都市計画によって、安全、快適で持続的な活力のある中心市街地の実現するためには、民間活力の積極的な導入が必要ではと考える。熊谷組が大きくかかわったとされる「東戸塚駅新設に伴うまちづくり」なども個人的に勉強してみたいと思う。

2日目の訪問先となる会津若松市は福島県西部、会津盆地の東南にあり、市域面積約383キロ平方メートル、人口約12万9千人の都市である。旧会津松平家の城下町として有名で、その歴史は古く名所旧跡も数多い。敦賀城を中心とした街並みにも会津における武家時代が窺われるような建物が多く現存し、独特の文化を感じる。
平成14年3月「会津若松市食料・農業・農村基本条例」が制定され、さらに計画的に推進のため(アグリわかまつ活性化プラン21)を策定し、地域内における食糧の自給体制の確立を基本とし、食料自給率の向上と健全な食生活の推進を図ることとした。
非常にわかりにくく、何の協議会なのかというと、地域の主要産業である「農業・食」に携わる各業者の新しいネットワークづくりと商品のブランド化などによる利益確保を実現する仕組みづくりを目的とする全会津関係機関の組織
地産地消の推進については日々、本市のなかでも多く議論されるところでもあり、まず学校給食での利用拡大が望まれるところである。特に最近の「食の安全の確保」については、学校のみならず家庭においても強く関心の持たれるところであり、生産者の顔が見える商品展開はネット販売などを通じても拡大の傾向である。また、自給率の向上や新たな市場開発が後継者の育成・支援につながるよう期待するところである。
しかし、現実は米価の問題や輸入農産物との価格競争、そして従事者の高齢化が進んでおり、これからの農業の在り方が重要なテーマになってくると思われる。今後の我が国の農業の果たすべき役割は「安定供給・魅力ある農業・環境との調和」であるといわれている。消費者ニーズを的確に把握し、流通の合理化・拡大を促進と農産物の安定供給を目指すことが重要である。同時にその推進・利用を地域内だけで終始することなく、姉妹都市・友好都市など地域間の交流がネットワークの基盤となり、販路の拡大につながるよう願うものである。
