
平成20年6月27日
田辺 昭人
山梨県立あけぼの医療福祉センター
山梨県韮崎市旭町上条南割3251−1
面談者 佐藤所長・名取事務局長・大原福祉指導幹
創明クラブの今期第1回の視察先として、「山梨県立あけぼの医療福祉センター」に訪問した。まず、この施設が所在する「山梨県社会福祉村」について触れてみたいと思う。「山梨県社会福祉村」は、甲府市の西約17キロの自然環境に恵まれた御勅使川の両岸77万uという広大な土地に、昭和41年から建設が進められ、現在知的障害を持つ人達、体が不自由な人達、精神障害に悩む人達の10施設が完成している。その概要は
等が整備されており、ここでは毎日、社会復帰を目指して約1000人の入所者が医療・教育・訓練等を受けながら生活している。
昭和50年に開設した同センターは県内の障害児者の医療福祉の中核施設としての役割を担ってきたが、築後30年余が経過し、障害者を取り巻く環境が変化する中で、施設の老朽化等により、利用者のニーズに十分こたえられない状況になってきたことから、再整備を行うこととなり平成18年に新装されたものである。


視察を通じて感じたことは、これほど総合的に集約された施設は他に類を見ないだろうという点である。多くのニーズに応えるため、広大な敷地に施設が配置され、それぞれの連携が構成されている状況は、この「山梨県社会福祉村」ならではと思う。県全体の障害を持つ方に対応するために作られた複合型福祉施設といえる。特に今回の視察テーマとなった「あけぼの医療福祉センター」の特色は個々の個性と意思を尊重し、自立と社会活動参加への支援を目的に利用者中心の医療・福祉を提供していることだ。重症心身障害及び肢体不自由の各入所施設にはショートステイ受入れの対応が児童・成人ともに整備されることや、併設の医療棟では整形外科・小児科・内科・泌尿器科・皮膚科・歯科・リハビリ科のほか外来診療室を設けて幅広い医療体制を維持している。また、自然光を多く取り入れたデザインや土地の高低差を利用した屋上の庭園化など、ユニークな建築様式の建物である。利用者重視の意思の表れともいえるだろう。
理想を言えば、このような施設を随時、全国に広く設置してもらいたいと思う。しかし、相当な費用がかかることも事実で、この「あけぼの医療福祉センター」の建築費は約63億円とのことである。十分な設備を備えるとなれば、どうしても費用がかかるものだ。
しかし、一方で普段耳にすることの多くは、日常生活の支えについてである。先日開催された「障害者福祉に関する意見交換会」や日頃、お会いするご父兄の方からの支援体制の充実への要望は大変強いものがある。それは、短期入所受け入れの整備と重症心身障害及び肢体不自由児者入所施設の充実である。突然、外出を余儀なくされる場合の時、たとえば家族の入院や身内の不幸などの際に、お願いできることや将来、保護者が年をとった時の将来への不安などがあげられる。私はそのような身近にある不安の解消が目下の急務であると考えている。
今回、この「あけぼの医療福祉センター」を拝見し、先端の福祉体制の状況を学んだと同時に、本市における福祉体制の整備の必要を強く再認識した次第である。
